米の国際相場、インドの一部輸出禁止で値上がり。
世界最大の米輸出国・インドが7月下旬の長粒種(インディカ米)の白米輸出を禁止したことで、米の国際相場が値上がりした。
インドに次ぐ米輸出国のタイやベトナムでは深刻な干ばつが起きており、米の減産が懸念される。
国連食糧農業機関(FAO)の価格動向では、7月の米は前月比で2.8%の上昇、前年比では20%近い上昇。米価格の指標となるタイの精米価格では、インド輸出禁止発表後の7月26日に1tあたり572ドル(7月12日比+7%)をつけた。
インドの輸出禁止は、主にインド国内での価格上昇を懸念しての措置。小売価格が1年間で11.5%、過去1ヵ月で3%の上昇をみせた。また、2022年9月に20%の輸出関税を設けたものの輸出量の拡大が続いたため輸出禁止に踏み切った。
インドは国際市場に出回る米の4割にあたる、年間2,000万t超を輸出している。ただ、輸出される米のうち、多くは高級米のパスマティライスと、アフリカ向けの安価なパーボイル米。輸出禁止になった白米は、全輸出量の半分以下のため、影響は限定的との見方もある。
参考リンク:食料安全保障月報(農林水産省)