タイヌビエの除草剤抵抗性メカニズムが、解明される。

米カリフォルニアで見つかった多剤抵抗性のある強害雑草「タイヌビエ」を解析。
そのメカニズムを解明。
近年日本で見つかった多剤抵抗性タイヌビエでも類似のメカニズムが見つかった。

除草剤を解毒する抵抗性メカニズムを獲得した雑草は、全く異なる性質の除草剤でも解毒し、多剤抵抗性を示すことがある。その中でも雑草が除草剤を解毒することで抵抗性を獲得する「解毒型抵抗性」の場合、成分が全く異なる除草剤に対しても抵抗性(多剤抵抗性)が出るため、効果のある除草剤がなくなるケースがある。
多剤抵抗性を持つタイヌビエの除草剤「ジクロホップ」に対する強い抵抗性のメカニズムを調べたところ、除草剤抵抗性に関与する3つの遺伝子同定に成功。この3つの遺伝子が一斉に活性化されることで、1回の突然変異によってジクロホップを含む多様な除草剤を解毒することができる。
この3つの遺伝子は、異なる地域のタイヌビエでも見つかっており、同じメカニズムで抵抗性を獲得していることから、タイヌビエの多剤抵抗性では一般的なものである可能性が考えられる。
今後は同定された3つの遺伝子の過剰発現を引き起こす原因を明らかにするため、ゲノムの解析を進める。

参考リンク:最新の研究成果(京都大学)