和子牛、2ヵ月連続60万円割れ。
全国の和牛子牛平均価格が5月・6月と2ヵ月連続で1頭あたり60万円を割り込んだ。
枝肉相場が軟調に推移する中、子牛の導入価格を抑える動きが拡大している。
全国の主要な家畜市場で取引された黒毛和種子牛の1頭あたりの平均価格は、5月が59万1,117円、6月が56万9,346円。採算ラインの60万円を下回るのは、輸出などの需要が盛り上がり、子牛価格が上昇する前の2015年以来。
新型コロナウイルス禍で枝肉相場が急落し、子牛価格も大きく下げた2020年4月の64万1,412円をも下回る。
子牛価格の下落には、肥育農家の経営悪化が背景にある。配合飼料、粗飼料とも高止まりが続き、資材費の上昇も追い討ちをかける。対して枝肉相場は前年比−0.5〜-6%と弱含みで推移。一部の販売店で和牛から交雑牛へシフトする動きなどがみられ、需給が緩んだ。
このため、削減できる子牛代を抑える傾向が強まっているとみられる。
黒毛和種の場合、3ヵ月ごとの平均で子牛価格が60万円を下回った場合、差額の4分の3を助成する「和子牛生産者臨時経営支援事業」がある。ブロックごとの算定となるので、地域によっては今後発動する可能性が出てきた。
参考リンク:素牛情勢(JA全農)