牛のげっぷ由来のメタンを減らす飼料添加物の研究が活発化。

牛のげっぷに含まれるメタンを減らす飼料添加物の研究開発や実証実験が各地で活発に行われている。
家畜のげっぷ由来のメタンは、2021年度に国内の農林水産分野で排出された温室効果ガスの16%を占める。

・活性炭を飼料に0.6%混合するとメタン排出量が22%減少する、というオーストラリアの研究結果に着目した酒造メーカーは、日本酒を濾過する過程で使う活性炭を活用。メタン減少だけでなく、牛糞由来の悪臭の9割低減、子牛の主疾病である下痢の低減も確認されている。また、使用済み活性炭には、牛の栄養源となる粗タンパク質が20%近く含有している。
・海藻の一種「カギケノリ」は、飼料に0.2%混合することでメタン排出量を最大98%減少させる。オーストラリアの研究で効果が確認されたカギケノリについて、国内で生息している鹿児島県の漁協と微細藻類の培養技術開発メーカーが連携し養殖技術を研究。配合飼料を開発する。
ほか、カシューナッツ殻液(メタン発生を20〜40%抑制)、柿の皮(胃内部のメタン濃度を4分の1以下に)や、規格外の昆布を使った研究などが進められている。

参考リンク:ニュースリリース(白鶴酒造)
     :ニュースリリース(PR TINMES)