衛星画像から可変施肥が有効な土壌かを診断する。
農地の衛星写真から肥沃度や作物の生育状況を表すマップを作成し、比較分析することで可変施肥が有効かどうかを診断する手法を、十勝農業試験場などが開発。
地力のムラ(土壌の肥沃度や作物の生育差)がある農地では、施肥量を自動で調整・散布する「可変施肥」が広がりつつある。生育や収量の安定につながり、肥料の無駄をなくすことができるが、対応した農機やマップの作成が必須。これまではドローンによる空撮でマップを作成してきた。
新しい手法では、土壌が露出した4月の圃場と、作物の生育状況がわかる7月の圃場を衛星から撮影。採取した土の情報を考慮に入れながら4月分からは肥沃度を、7月からは生育状況を示すマップを作成。両者を比較分析することで、可変施肥の有効性を判断する。マップは一度作れば複数年にわたって利用可能。
土地の肥沃度が高いほど生育が良い農地では可変施肥が有効。肥沃度が高くても生育が悪い場合には、排水性が悪い可能性があり、可変施肥を有効にするためには排水性の改良が必要となるといった判断ができる。
現時点では黒ボク土の土壌のみ見分けることができているが、今後対象を広げていく。
参考リンク:十勝農業試験場