農業生産資材価格が、過去最高に。
2021年の農業物価指数(確報)が発表され、生産資材の価格は前年比5.0%上昇し、統計が残る1951年以降で最も高く、それに対して農産物は2.8%下がっている。
農業物価指数は、2015年を「100」として指数化することで物価の推移をみるもの。
2021年は、農産物(総合)が「107.9」で、前年比−2.8%。農業生産資材(総合)が「106.9」で同+5.0%。
生産資材の上昇は、コロナ禍からの経済回復に伴い飼料(111.6/+14.0%)や燃油など光熱動力(111.2/+12.2%)が高騰したことが影響。ほか、肥料(101.2/+2.4%)、建築資材(119.8/+12.9%)などが大きく上昇。
一方、農産物は米価の大幅下落や野菜価格の低迷が影響。米(114.8/−10.9%)、野菜(95.0/−3.9%)と前年比マイナスに。
農産物価格の指数を生産資材価格の指数で割った「農業交易条件指数」は100.9/−7.4%。指数は農業経営環境の変化を表すため、指数の低下は経営の悪化を意味する。2016年〜2020年の5年間は107〜111の間で推移しており、経営環境が悪化しているとみられる。
資材価格はロシアのウクライナ侵攻により更に高騰。2022年6月の指数(2020年を100とする)では、前年同月比+8.5%の「115」。対して農産物価格は−5.3%の「99」となっている。
参考リンク:令和3年農業物価指数(農林水産省)