国産チーズ生産量が過去最多水準に。

2021年度の国産ナチュラルチーズの生産量は前年比7%増の4万5,341tで過去最多水準になった。対して国内市場の8割を占める輸入品は前年比2.1%減の27万6,646t。ブロックチェーン問題や値上げにより2年連続で前年割れを起こしている。

ナチュラルチーズの国産と輸入品を合わせた消費量は21万2,098tで、消費量に占める国産の割合は前年比1ポイント増の13.7%。飲料向けの生乳需要が落ち込む中、チーズ用に仕向けられる生乳が増えたことも要因のひとつとみられるが、それでも国内の生乳生産量に占めるチーズ向けの割合は2021年度で5.8%にすぎない。
直近6ヵ月のナチュラルチーズ輸入価格は、前年比29%高の626円/kg。世界的な乳製品需要の高まりから輸入チーズの価格は高騰を続けている。国内には300を超えるチーズ工房があり、日本の風土や土地ごとの食材を生かすなどして、国産の強みを打ち出した商品の開発も進んでいる。大手乳業メーカーでも国産の販売促進を強化している。輸入価格の高騰が続けば、国産の価格競争力が高まる可能性も出てきている。

参考リンク:チーズの需給表(農林水産省)