コロナウイルスが付着すると光るマスク開発。
紫外線を当てると新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗原が光り可視化できるフィルター入の不織布マスクが開発。フィルターにはダチョウの卵から作った抗体が塗ってあり、スマートフォンのLED光でも可視化が可能。
ダチョウは体内で作った抗体を卵に移す性質がある。これを利用して新型コロナウイルスの抗原をダチョウに注射し、生まれた卵の卵黄から抗体を製作。フィルターに結合させた。
せきや鼻水の飛沫がフィルターに付着すると、ダチョウ抗体が飛沫内のコロナウイルスを補足、結合することで、光照射だけでウイルスの検出を可能にした。
実証では新型コロナウイルス感染者が8時間着用したマスクを用いて確認したところ、補足されたウイルスを肉眼で確認することができた。
ダチョウ抗体を結合させたフィルターを入れた使い捨てマスクが実用化されれば、ウイルスの検出が容易になり無発症の感染者を早期に発見・隔離することができるようになり、集団感染や家庭内感染を防ぐことが期待される。また、この技術はコロナウイルス以外にもインフルエンザやマイコプラズマなどの抗体にも使える。これらの抗体を混合して繊維に結合させ、病原体ごとに光を当てた際に光る色を変えることで、一度に多種類の病原体を判別可能にすることもできる。
今後は、簡単かつ迅速に測定するためのマスク開発と、スマートフォンLED光を用いた検査キットのウエアラブル化などに取り組む。
参考リンク:京都府立大学