世界のかんがい農地の6割以上が水不足に直面している。

国連食糧農業機関(FAO)は年次報告書「世界食料農業白書2020」でアジア地域を中心にかんがい農地が水不足に直面していると警鐘を鳴らした。

世界のかんがい農地の62%に相当する1億7,089万haで水が不足している。うち1億4,400万haがアジア地域に集中。シリアやイエメンほかアジアの18カ国はかんがい農地の全域が、インドは9割以上の農地で水不足になっている。
地球温暖化による干ばつや、畜産飼料の生産拡大、人口の増加が原因として挙げられる。また、所得水準の向上に伴い、水を大量に消費する生活習慣への移行も一因。今後干ばつに耐性のある品種開発や、畜産を穀物飼料から放牧への転換などの対策を講じることが重要になる。
水不足がこのまま続くと、2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の実現が困難になるため、FAOはSDGsの達成を可能にするためには、効率的に水を利用することであると強調している。