果樹種苗の生産は労力が不足しているが、雇用を確保できない。
ミカンなどのカンキツ類やリンゴ、ウメ、モモなどの果樹生産では、収益性の高い新品種への更新や省力栽培技術の導入が重要となっている。果樹の生産には優良な果樹種苗の安定供給が必須。労力の確保が難しく、33%の業者では雇用を増やしたいが困難であると回答。
アンケートは、果樹種苗を取り扱う全国の主な種苗業者184社に対して実施し、69.8%、128社が回答。経営形態、後継者の確保、生産・販売状況などを調査した。
その中で労力の確保状況は、1業者あたりの常勤職員は平均5.0人(うち家族は2.4人)、非常勤職員は3.7人であることが分かった。地域別で見ると、常勤職員が多いのは東北地方で7.3人(うち家族2.7人)。次いで関東・東海・北陸が5.5人(同2.3人)、九州4.1人(同2.5人)、近畿・中国・四国3.7人(同2.1人)。非常勤職員は多い順に東北(5.0人)、九州(4.4人)、近畿・中国・四国(3.2人)、関東・東海・北陸(2.7人)。
労力の確保では、全体の29.5%は必要な労力を確保していると回答。8.0%は労力が不足しているため雇用を増やす予定、26.8%は労力は不足しているが雇用は増やさない、33.0%は雇用を増やしたいが困難と回答しており、多くの種苗業者で労力不足が問題となっていた。
労力の確保については、東北では「賃金を高めにするとともに、社会保険や厚生年金にも加入できるようにすることで、比較的容易に労力を確保できる」とする声があり、21.4%が雇用を増やすと回答。一方九州では「現在の経営状況では高い賃金を出すことができず、労力確保が難しい」とする声があり、48.8%が雇用の確保が困難と回答。地域による違いがあることが分かった。
中央果実協会、果樹種苗業者に対するアンケート調査。
参考リンク:中央果実協会