水田裏作レタス、冠水で窒素の8割が流出した。
水田裏作で栽培するレタスが豪雨で完遂した場合、肥料の流出度合いを静岡県農林技術研究所がマルチ栽培のレタスで試験。
冠水により、土壌中の窒素成分は8割減少。レタス1株あたりの重量も約7割落ちる結果となった。
試験では、緩効性の窒素肥料を投入した土壌に、10月上旬にレタスを定植。10月下旬に根元から10cm程度冠水させた状態を2日間保ち、水を引かせてから深さ10cmまでの窒素肥料分を調べた。
冠水前の土壌100gあたり8.7mgあった窒素肥料成分は1.7mgにまで減少。マルチにより流出はある程度抑えられるとみていたが、想定以上の流出となった。
冠水後も栽培を続け、12月上旬に収穫。1株あたりの重さは、冠水しなかったレタス(659g)に対し210gにとどまり、出荷できる状態ではなかった。
今後も同様の試験を重ね、冠水した生育時期や時間が収穫にどのような影響を与えるのかを予測できるようにし、葉面散布による追肥や作型を後ろにずらして苗を植え直すなどの、農家の判断の目安に活用できるようにしていく。また、冠水後も収穫を確保するための栽培技術の研究を進めていく。
参考リンク:研究成果(静岡県)