トマト黄化葉巻病の抵抗性品種でも、高温下では発病する。
黄化葉巻病に抵抗性がある品種のトマトでも、高温の条件下では、抵抗性が崩壊し発病することが確認された。
トマト黄化葉巻病は、ベゴモウイルス感染によって発症。葉が黄色く縮れ、症状が進むと開花しても実がほとんど着かなくなる。日本国内でトマト黄化葉巻病を引き起こすウイルスはTYLCV-IL(イスラエル)とTYLCV-Mld(マイルド)の2系統。抵抗性遺伝子を組み込んだ品種も開発されているが、夏に発病するケースが知られていた。
ウイルスに感染させた抵抗性のある7品種を、高温下(日中35度/夜間20度)と常温下(日中25度/夜間20度)で3週間育成したところ、イスラエル系統に感染させた7品種全てが高温下で発症。マイルド系統のウイルスでの発症は見られなかった。
高温下ではイスラエル系統に対する抵抗性が崩壊するとみられる。今後、原因の解明や高温下での安定した抵抗性獲得の実現に向けた研究が進められる。
参考リンク:近畿大学農学部農学研究科