無花粉杉の苗木だけを量産する技術を開発。

無花粉杉の判別と量産法を、森林総合研究所、新潟大学などからなる研究グループが確立し、マニュアルとして公開。この技術を活用することで、生産する苗木の全てを無花粉杉にすることができ、商業規模での大量生産も可能になる。

花粉症対策としての無花粉杉への植え替えは、究極的な解決策として期待されている。ただ、交配により生産される実生苗のうちの約半数は花粉を作る正常な個体のため、2〜3年かけて苗木を選別する必要がある。
研究では、無花粉杉の未熟な種子を取り出し、細胞の塊(カルス)になるまで培養。培養したカルスの半分は無花粉杉が含まれるため、MSIと呼ばれる無花粉杉の原因となるDNAをPCR検査で検出し、無花粉杉となるカルスだけを培養する。この方法では、1gのカルスから1,000本以上の苗木を生産することが可能。また、培養した胚は密封して冷蔵保存することにより、2年間は発芽能力を保つ事ができる。
この技術をわかりやすく、具体的に解説したマニュアルは、森林総合研究所のサイトで公開されている。

参考リンク:プレスリリース(森林総合研究所)